大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(さ)1 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告趣意について。

関係記録を調査すると、被告人は、昭和三五年九月二八日小倉区検察庁検察官か

ら小倉簡易裁判所に、「法令に定められた運転の資格を持たないで、昭和三五年八

月四日午後二時四五分頃、小倉市赤坂七町附近道路において、軽自動事を運転して、

無謀な操縦をしたものである。」との公訴事実により起訴、略式命令を請求され、

同年一〇月六日同裁判所において、右の事実につき、道路交通取締法違反(七条一

項、二項二号、九条一項、二八条一号適用)として罰金一、〇〇〇円に処する旨の

本件略式命令を受け、この裁判は同年一二月一八日確定したのである。しかるに他

方、被告人は、同年九月二六日小倉区検察庁検察官から同裁判所に、右と同一の事

実及びその運転の機会における業務上過失傷害の事実につき、公訴を提起されると

ともに略式命令を請求され、同月二九日同裁判所において、業務上過失傷害、道路

交通取締法違反(前記と同一法条及び刑法二一一条、四五条前段、四八条二項適用)

として罰金八、〇〇〇円に処する旨の略式命令を受け、この裁判は同年一〇月二一

日確定した事実を認めることができる。

右によれば、公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起さ

れたときにあたるので、同裁判所は、後の略式命令の請求については、刑訴三三八

条三号により公訴棄却の判決をすべきであつたのであり、これを看過して重ねて同

一事実につき略式命令をしたことは違法であり、かつ被告人に不利益なものである

ことは明らかであるから、本件非常上告は理由がある。

よつて、刑訴四五八条一号により、原略式命令を破棄し、同三三八条三号により

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本件公訴を棄却すべきものとし、裁判官全員一致で主文のとおり判決する。

検察官 中村哲夫公判出席

昭和三九年四月一六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

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