最高裁判所第一小法廷 昭和39(さ)10 判決
主 文
原略式命令を破棄する。
被告人を罰金二五、〇〇〇円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金二五〇円を一日に換算した
期間被告人を労役場に留置する。
理 由
検事総長馬場義続の非常上告の趣意について。
下関簡易裁判所が、被告人に対する傷害被告事件(同庁昭和三九年(い)第四二
二号)について、昭和三九年六月三〇日附の略式命令により、被告人の傷害の事実
を認定して、被告人を罰金三〇、〇〇〇円(その不完納の場合には金二五〇円を一
日に換算)に処し、右略式命令は、同年七月一八日確定したものであることは右傷
害被告事件の記録に徴して明らかである。
ところで、刑法二〇四条、罰金等臨時措置法三条一項一号によれば、傷害罪の罰
金の法定刑の最高額は二五、〇〇〇円であるから、これを超過して被告人を罰金三
〇、〇〇〇円に処した右略式命令は、法令に違反し、かつ被告人のため不利益であ
ること明らかである。
よつて、刑訴法四五八条一号但書により、原略式命令を破棄し、被告事件につい
て更に判決することとする。原略式命令によつて確定された傷害の事実につき法令
を適用すると、該事実は、刑法二〇四条、罰金等臨時措置法二条、三条一項一号に
該当するから、所定刑中罰金刑を選択し、被告人を罰金二五、〇〇〇円に処し、刑
法一八条により、右罰金を完納することができないときは金二五〇円を一日に換算
した期間被告人を労役場に留置する。
よつて主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官全員一致の意見によるものである。
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検察官 長富久公判出席
昭和四〇年三月四日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 田 誠
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 松 田 二 郎
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