大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(さ)4 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴事実につき被告人を免訴する。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告趣意について

記録によると、被告人は軽自動車免許の運転免許を受けた者であるが、昭和三七

年七月一五日午前一一時一五分ころ、紋別郡a町b区A自転車店前道路において運

転免許証を携帯しないで軽自動車B号を運転したものであるという犯罪事実につい

て、同年八月二五日遠軽簡易裁判所に対し公訴提起と同時に略式命令を請求され、

同裁判所は同年八月三一日右事実について道路交通法違反として被告人を罰金二、

〇〇〇円に処する旨の略式命令をなし、右裁判は同年九月二〇日確定した。ところ

が、右略式命令確定後である同年一〇月四日、被告人は昭和三七年七月一五日午前

一一時一五分ころ紋別郡a町c区d商店方前附近道路において、運転免許証を携帯

していることを確認して運転すべき義務を怠り、運転免許証を携帯していないこと

に気づかないで軽自動二輪車(B)を運転したものであるとの犯罪事実について同

裁判所に公訴提起と共に略式命令の請求がなされ、同裁判所は同年一〇月四日右事

実について道路交通法違反として被告人を罰金一、〇〇〇円に処する旨の略式命令

をなし、右裁判は同年一〇月二七日確定した。以上二個の犯罪事実は、前者は故意

犯後者は過失犯であり、また、犯罪場所の記載に相違があるが、犯罪の日時、被告

人の運転した自動車が同一であつて、結局において、同一事実につき二重に処罰さ

れたものであることが明らかである。

したがつて、遠軽簡易裁判所は後の本件略式命令請求については、既に確定判決

を経たものとして刑訴三三七条一号により免訴の判決をなすべきであつたのに、更

に同一事実について被告人に罰金刑の言渡をした同年一〇月四日付本件略式命令は

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違法であり、かつ被告人のため不利益であることが明らかである。

よつて、刑訴四五八条一号により原略式命令を破棄し、同三三七条一号に従い免

訴の言渡をなすべきものとして主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 寺西博公判出席

昭和三九年一〇月一五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

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