大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(オ)1498 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高橋万五郎の上告理由第一点について。

本件一件記録によると、弁護士菊地一民は、原審において、昭和三八年一一月二

二日、同年同月二一日付で原審被控訴人D株式会社の訴訟代理人として選任された

旨を届け出て、同被控訴人の訴訟代理人の地位にあつたこと、その後同三九年二月

二六日同日付で同被控訴人の訴訟代理人を辞任する旨を届け出るとともに、被上告

人B農業協同組合の訴訟代理人に選任された旨届け出て同組合の訴訟代理人として、

原審第四回口頭弁論期日(昭和三九年二月二六日)において民訴法七三条による訴

訟参加の申出をしたこと、右口頭弁論期日において原審被控訴人は同人に関係する

参加人の主張する請求原因事実を認める旨陳述をしたうえ、上告人(控訴人)の同

意をえて右訴訟から脱退したこと、なお、被上告人(参加人)の参加申出書には請

求の趣旨として被上告人(参加人)から上告人(控訴人)に対する請求のみを記載

していたことが認められる。

右認定した経過に徴すると、被上告人(参加人)は民訴法七三条による訴訟参加

をなし、脱退した原審被控訴人の訴訟法上の地位を承継したものであつて、被上告

人(参加人)と脱退した原審被控訴人との間には、実質上何らの利害関係の対立が

あるものでないから、従前被控訴人(脱退)の訴訟代理人であつた弁護士菊地一民

が被上告人(参加人)の訴訟代理人として選任され訴訟行為をしたとしても、民法

一〇八条違背の問題は生じないし、弁護士法二五条に違反するものともいえず、所

論は、採用することはできない。(昭和三四年(オ)第九八七号、同三七年四月二

〇日第二小法廷判決、民集一六巻四号九一三頁参照。所論引用の判例は本件に適切

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でない。)�

同第二点の一、二について。

原判決挙示の証拠によれば原判決の認定した事実を肯認することができる。所論

は、ひつきよう、原審の裁量に属する証拠の取捨選択、事実の認定を非難するか、

または原審の認定しない事実を前提としてこれを非難するに帰し、採用しがたい。

同第二点の三について。

上告人の所論の主張は、原審被控訴人(脱退原告)が所論の転貸を承諾したこと

を前提とするものであること、原判決の事実摘示および一件記録に照らし、明らか

である。

したがつて、原判決が前記承諾の事実は認められないとしている以上、上告人は

何ら正当の権原なくして被上告人(参加人)所有の本件土地を占有するものとして

被上告人の請求を認容した原判決の判断は正当であり、原判決には所論の違法はな

く、所論は、採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

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