大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(オ)240 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人松本茂の上告理由第一点について。

訴訟代理人が口頭弁論期日に出頭したか否かは、口頭弁論の方式に関する事項で

あるから、民訴法一四七条本文によつて調書によつてのみ証することができるとこ

ろ、原審における昭和三七年八月一六日午前一〇時の第一回口頭弁論期日の調書に

は、控訴代理人倉本芳彦及び被控訴代理人浅井稔が各出頭した旨記載されているか

ら、右控訴代理人及び被控訴代理人がともに右期日に出頭したものと認める外はな

い。そして、右控訴代理人が右期日に出頭した事実及び記録上認められる控訴状と

しては右控訴代理人の作成にかかるもののみが存在する事実並びに控訴人の作成に

かかる委任状としては右控訴代理人に対するものは存在するが、右被控訴代理人に

対するものは存在しない事実を綜合して考えれば、右調書中の「被控訴代理人が控

訴状を陳述した」旨の記載は、経験則上、「控訴代理人が控訴状を陳述した」旨の

記載の誤記であることが明らかである。従つて、被控訴代理人が控訴状を陳述した

ことを前提とする論旨は、その前提を欠くものであるから採用できない。

同第二点について。

記録によれば、原審が上告人の申請にかかる五名の証人尋問に対し許否の決定を

することなく結審したことは所論のとおりであるが、本件訴訟の指揮及びその経過

に徴すれば、原審は、右証人尋問の申請をその取調べの必要がないものとして暗黙

に却下したものと認められるから、原判決には所論の違法はない(昭和二四年(オ)

第九三号同二七年一二月二五日第一小法廷判決、民集六巻一二号一二四〇頁参照)。

従つて、論旨は採用できない。

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同第三点について。

本件各約束手形が振り出された当時、控訴組合の参事であつた亡Eが控訴組合の

組合長名義で約束手形を振り出す権限を有していた旨の原審の認定は、原判決挙示

の証拠に照らして首肯できないことはなく、右認定事実に照らせば、所論の証人F

の証言に関して原審のした右証言の趣旨についての解釈判断及び右証言の一部を措

信できないとした判断は、いずれも是認できないことはなく、その判断の過程に所

論の違法はない。所論は、ひつきよう、原審の裁量に属する証拠の取捨判断、事実

認定を非難するに帰し、採用できない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条

に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

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