大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(オ)276 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人松岡益人の上告理由第一点について。

原判決は所論福岡市役所今宿支所備付の字図及び福岡法務局周船寺出張所備付の

字図を措信しない理由を説示しており、しかも右説示は何ら経験則に反するところ

はない。所論は、結局原審の専権に属する証拠の取捨判断を非難するに帰し、上告

適法な理由とならない。

同第二点の一について。

被上告人(原告)の本訴の請求の趣旨第一項は、当初は、被上告人(原告)所有

の山林と上告人(被告)所有の山林との境界を確定することを求むるものの如くで

あつたが、第一審裁判所第九回口頭弁論期日において、被上告人(原告)代理人は、

「本件請求の趣旨第一項は、本件係争地即ち訴状添附別紙第一図面のイ、ロ、ハの

各点を結ぶ線をもつて囲む土地が原告(被上告人)の所有であることの確認を求め

る趣旨であつて、その所有権確認の限界として同図面のイ、ロの各点を結ぶ線を南

側の境界として主張するもので、境界のみの確定を求める趣旨ではない」と釈明し、

上告人(被告)代理人は、「原告(被上告人)代理人の右申立については異議はな

い」旨述べていることは、本件記録に徴して明らかであるから、訴の変更について

の書面の提出又は送達の欠缺は、上告人(被告)の責問権の喪失により治癒された

ものと解すべきであるから(昭和二七年(オ)第二八号同三一年六月一九日第三小

法廷判決・民集一〇巻六号六六五頁)、論旨は理由がない。�

同第二点の二について。

被上告人が、第一審及び原審において、本件係争地の南側の境界につき原判決の

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引用する第一審判決の事実摘示の如く主張したものであること本件記録に徴し明ら

かである。そして、原審は挙示の証拠によつて被上告人の右主張事実を認定したの

であるから、原判決には所論のような違法はない。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

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