大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和40(あ)1760 判決

主 文

原判決および第一審判決を破棄する。

被告人を罰金二千円に処する。

右罰金を完納し得ないときは、金五百円を一日に換算した期間被告人を

労役場に留置する。

理 由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であつて刑訴法四〇五条の上告理由に

当らない。

しかし職権をもつて調査するに、原審の是認する第一審判決は、被告人の昭和三

九年九月七日の本件所為に対し、道路交通法二五条一項、一二〇条一項二号を適用

処断しているが、同法は、昭和三九年法律第九一号により改正され、その改正法は

右犯行の日以前から施行されたものであること、その附則一項の規定に照らして明

らかである。そして右改正後の道路交通法によれば、右二五条一項も一二〇条一項

二号も、被告人の本件所為には関係のない法条であるから、これをもつて被告人を

処断するに由なきものといわなければならない。従つて、右第一審判決およびこれ

を是認した原判決は刑訴法四一一条一号により破棄を免れない。

そこで当裁判所は、同四一三条但書の規定により、本件について更に判決をする

こととする。

原審の是認した第一審判決の確定した事実に法令を適用するに、被告人の本件所

為は、道路交通法二五条の二第一項、一一九条一項二号の二に該当するから、所定

刑中罰金刑を選択し、その金額の範囲内において、被告人を罰金二千円に処すべき

ものとし、その不完納の場合の換刑処分につき刑法一八条を、第一審および当審に

おける訴訟費用につき刑訴法一八一条一項但書をそれぞれ適用して、主文のとおり

判決する。

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本判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 高橋正八公判出席

昭和四一年四月二八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

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