大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和40(あ)2612 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人渡辺喜八の上告趣意第一点一、二について。

所論は判例違反をいうが、論旨引用の判例はいずれも当裁判所の判例(昭和三一

年(あ)第四二八二号、同三四年八月二八日第二小法廷判決、刑集一三巻一〇号二

九〇六頁、昭和三一年(あ)第三九八一号、同三五年四月二六日第三小法廷判決、

刑集一四巻六号七四八頁)によつて変更されたものと認められる。それ故、所論判

例違反の主張は前提を欠くものであつて、採るを得ない。(なお、当裁判所の意見

が大審院のした判例に反する場合において、その裁判は、最高裁判所裁判事務処理

規則九条六項によつて、小法廷ですることができる。)

同三について。

所論は判例違反をいうが、論旨は、被告人が本件行為が罪とならないと信ずるに

ついて相当の理由があることを前提とするものであるところ、原判決は、被告人の

行為が違法性を阻却し罪とならない旨の控訴趣意につき、被告人が罪とならないと

信ずるについて重大な過失のなかつた事由として挙げた駐在所巡査の言については、

証拠上認められない旨を判示しているのであるから、所論は原判示に副わない事実

を前提とするものであり、判例違反の主張は、結局前提を欠くものであつて採るを

得ない。

同第二点について。

所論は単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。

記録を調べても、所論の点につき同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

- 1 -

昭和四一年六月二三日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!