最高裁判所第一小法廷 昭和40(オ)1031 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人福間豊吉の上告理由第一点について。
村税滞納処分による差押の関係においても、民法一七七条の適用があるものと解
するのが相当である(昭和二九年(オ)第七九号同三一年四月二四日第三小法廷判
決民集一〇巻四号四一七頁参照)。したがつて、論旨のうち、右と異なる見解を前
提として原判決の違法、違憲をいう部分は、その前提を欠くものであつて採用に値
しない。
さらに、原審が確定した「訴外D工業株式会社より本件不動産を代物弁済により
取得した上告人が、その旨の登記を経由しない間に、被上告人は、右訴外会社に対
する村税滞納処分により本件不動産を差押え、その登記を了した。」という事実関
係のもとにおいては、被上告人が民法一七七条にいう第三者に該当し、上告人は前
記所有権取得をもつて被上告人に対抗しえないとした原審の判断は正当であり、右
差押及びその登記後に生じた所論事情の存在は、右判断に影響を及ぼすものではな
い。所論引用の判例は事案を異にし本件に適切ではない。したがつて、その余の論
旨も、独自の見解から原判決の違法をいうものにすぎず、採用に値しない。
同第二点について。
原審が確定した事実関係のもとにおいては、被上告人が本件不動産についてなし
た訴外Eより訴外D工業株式会社への代位による所有権移転登記ならびに右訴外会
社に対する村税滞納処分による差押の登記はいずれも有効と解すべきであるから(
昭和三三年(オ)第四一六号同三八年三月二八日第一小法廷判決民集一七巻二号三
九七頁参照)、原判決に所論の違法はない。論旨は独自の見解であつて採用に値し
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ない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 松 田 二 郎
裁判官 岩 田 誠
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