大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和40(オ)676 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人斎藤弥生の上告理由について。

原判決は、本件における控訴人(上告人)の損害の発生は、訴外Dが、訴外Eの

代理人として控訴人との間にE所有の原判決挙示の不動産に対し抵当権設定契約を

締結したが、右DがEより右代理権を与えられていなかつたため、右抵当権設定契

約が無効となり、そのため控訴人がEを主債務者Dを連帯保証人として貸し付けた

貸付金を回収することができなくなつたことにより発生したものである旨判示した

ものであること判文上明らかであつて、上告人が原審口頭弁論において上告人の蒙

つた損害として主張するところも、また右と異なるものではない。されば被上告人

の吏員が印鑑証明をなすに際し犯した原判決判示の過誤が右損害の発生と関係がな

い旨の原判決の判断は正当である。所論は、右と異なる前提に立つて原判決を非難

し、また原判決が傍論として説示するところを論難するものにすぎないから、採用

できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!