大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和40(オ)73 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人後藤英橘の上告理由冒頭部分および第一点について。

所論中違憲をいう点は、実質は単なる法令違反の主張にすぎない。そして、原判

決(その訂正、引用する第一審判決を含む。以下同じ。)の判文によれば、被上告

人(原告)の本訴請求原因の要旨は、被上告人所有の本件各立木所有権に対する不

法行為による侵害を理由とする損害賠償の請求であり、被上告人がもと右立木の所

有権を有していたことは上告人らの認めるところであるというのであるから、原判

決が上告人らが抗弁として主張する右立木所有権取得の有無について判断するのは

当然であり、原判決には所論違法はない。所論は独自の見解であつて、採用できな

い。

同第二点について。

被上告人が訴外Dに対し本件立木を含む本件土地の売却または交換の代理権を授

与したことはなく、被上告人が上告人Aに対しDに本件立木を含む本件土地の売却

の代理権を与えた旨の表示をしたこともなく、Dに民法一一〇条のいわゆる基本代

理権の存したことは認められないとした原審の判断は、原判決挙示の証拠関係に照

らして是認でき、原判決には所論違法は存しない。所論の中被上告人の追認があつ

た旨の主張は、原審で何ら主張判断を経ていない事項に属する。所論は、ひつきよ

う、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定を非難するに帰し、すべて採用

できない。

同第三、四点について。

Eが被上告人から本件土地の売却について代理権限を授与されていなかつた旨の

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原審の認定判断が是認できることは、論旨第二点について説示したとおりであり、

原判決の認定した事実によれば、上告人らが被上告人の本件山林の所有権を侵害し

たことに過失があつた旨の原判決の判断は、正当として是認できる。原判決には所

論違法はなく、論旨は、採用できない。

同第五点について。

所論は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定を非難するに帰し、採用

できない。

同第六点につき。

民法七一九条にいう共同不法行為者に対し共同被告として提起した損害賠償請求

訴訟は通常の共同訴訟であつて、類似必要的共同訴訟ということはできないから、

被上告人のしたDに対する訴の取下げを有効とした原審および一審の訴訟手続は相

当であり、同人に対する責任につき判断を加えなかつた原判決には所論違法は存し

ない。所論は独自の見解であつて、採用できない。

同第七点について。

上告理由に本件原審記録に添付した上告人らの準備書面を援用することは許され

ないから(昭和二六年(オ)第三一九号同二八年一一月一一日大法廷判決、民集七

巻一一号一一九三頁参照)、所論上告理由は適法でない。

よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 岩 田 誠

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