大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和41(さ)1 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件につき被告人を免訴する。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告趣意について。

記録を調査するに、被告人は「公安委員会の免許を受けないで、昭和四〇年二月

一九日午前一一時五五分ころ、岩手県胆沢郡a町大字b字cd番地附近道路におい

て普通貨物自動車を運転したものである」との事実につき、(一)昭和四〇年四月

二〇日盛岡簡易裁判所に対し、公訴提起と共に略式命令を請求され、同月二八日同

裁判所は右事実につき道路交通法違反として、被告人を罰金五、〇〇〇円に処する

旨の略式命令をなし、この裁判は、同年五月二一日確定したこと、(二)然るに、

被告人は右裁判確定後たる同年七月一六日右と同一事実につき盛岡簡易裁判所に対

し公訴提起と共に略式命令を請求され、同裁判所はその事実につき同月二八日被告

人を罰金五、〇〇〇円に処する旨の略式命令をなし、この裁判は同年八月二二日確

定したことを明認できる。してみると、後の提訴を受けた盛岡簡易裁判所としては、

その公訴事実については、確定裁判を経ているのであるから、本来刑訴法三三七条

一号に則り判決を以て免訴の言渡をなすべきであつたのに、事茲にいでず、更に略

式命令をなしたため、同一犯罪事実につき右のとおり二個の略式命令が確定した結

果になつたものである。すなわち後になされた原略式命令は違法であるから、本件

非常上告は理由があり、かつ右略式命令は被告人に不利益であることが明らかであ

るから、刑訴法四五八条一号により原略式命令を破棄し、同法三三七条一号により

被告人を免訴すべきものである。

よつて、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官 臼田彦太郎公判出席。

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昭和四一年四月二八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 松 田 二 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

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