大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和41(さ)11 判決

主 文

昭和四〇年三月二三日付の略式命令を破棄する。

右略式命令請求事件の公訴を棄却する。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告趣意について。

関係記録を調査すると、被告人は、「第一、公安委員会の運転免許を受けないで、

昭和三九年七月三日午後四時五〇分頃、福岡県a郡b町cバス停留場附近道路にお

いて普通貨物自動車を運転し、第二、前回日時頃、同県公安委員会が道路標識によ

つて追越し禁止の場所と指定した前同所において普通貨物自動車を運転して大型貨

物自動車を追い越したものである」との犯罪事実につき、昭和四〇年二月一二日折

尾区検察庁検察官より折尾簡易裁判所に起訴略式命令を請求され、これに対し同裁

判所は、同年三月一〇日右事実につき道路交通法違反(第一につき六四条、一一八

条一項一号、第二につき三〇条一項、九条二項、一二〇条一項三号適用)として罰

金一一、〇〇〇円に処する旨の略式命令をなし、この裁判は、同月一七日被告人に

送達され、その後正式裁判請求期間の経過により同年四月一日確定したのであるが、

他方、同年二月二四日同検察庁検察官より同裁判所に対し再び右同一事実につき(

同起訴状記載の公訴事実中犯罪日時が昭和三九年七月七日とあるのは昭和三九年七

月三日の明白な誤記と認められる)、起訴略式命令を請求され、これに対し同裁判

所は、前記裁判がなされた後未だその確定前である昭和四〇年三月二三日右起訴事

実と同一の犯罪事実を認定し、道路交通法違反(前記略式命令と同一法条適用)と

して被告人を罰金一一、〇〇〇円に処する旨の略式命令をなし、この裁判は同月三

一日被告人に送達され、その後正式裁判請求期間の経過により同年四月一五日確定

した事実を認めることができる。

右によれば公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起され

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たときにあたるので、同裁判所は、後の略式命令請求については、刑訴法三三八条

三号により公訴棄却の判決をなすべきであつたのであり、これを看過して重ねて同

一事実につき略式命令をしたことは違法であり、かつ被告人に不利益なものてある

ことが明らかであるから、本件非常上告は理由がある。

よつて、同四五八条一号により、昭和四〇年三月二三日付の略式命令を破棄し、

同三三八条三号により右略式命令請求事件の公訴を棄却すべきものとし、裁判官全

員一致で主文のとおり判決する。

検察官 勝田成治公判出席

昭和四一年一一日二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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