大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和41(さ)8 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人は無罪。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告申立について。

記録によれば、滝川簡易裁判所は、昭和三九年七月一五日に、被告人は昭和三九

年五月一三日午後五時頃赤平市ab番地付近道路において法令に定められた後退灯

が調整されていないため交通の危険を生じさせるおそれのある小型貨物自動車を運

転したものであるとの犯罪事実を認定し、これに対し道路交通法六二条、一一九条

一項五号、刑法一八条を適用して被告人を罰金三、〇〇〇円に処する旨の略式命令

をなし、右略式命令は同年九月五日確定したことが認められる。

しかしながら原略式命令が認定した本件小型貨物自動車は、道路運送車両法施行

規則(昭和二六年運輸省令第七四号)別表一号にいう小型自動車に該当し、その長

さは四・七メートル以下であるところ、長さ六メートル未満の自動車には後退灯備

付義務がない(道路運送車両法第三章の規定に基づく道路運送車両の保安基準《昭

和二六年運輸省令第六七号》四〇条一項)のであるから、このような自動車の後退

灯が調整不良であつたとしても、これをもつて道路交通法六二条にいう整備不良車

両ということはできないというべきである。(昭和四〇年(さ)第一号、同年一一

月二日最高裁判所第三小法廷判決参照。)

してみれば、原略式命令が認定した事実は、罪とならないものであるから、これ

に対し、前記法条を適用して被告人を罰金三、〇〇〇円に処した原略式命令は、法

令に違反し、かつ被告人のため不利益てあるというべく、非常上告申立は理由があ

る。

よつて、刑訴法四五八条一号、三三六条前段により、裁判官全員一致の意見で主

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文のとおり判決する。

公判出席検察官 臼田彦太郎

昭和四一年一〇月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

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