大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和41(オ)397 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人田口治国の上告理由第一点について。

所論の点に関する原審の事実認定は、挙示の証拠により是認しうる。論旨は、原

審の裁量に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、排斥を免れない。

同第二点および第四点について。

記録によれば、本件訴は、当初被上告人らにおいて、被上告人Bを選定当事者に

選定し、同人が原告となつて提起され、昭和三四年四月二七日の第五回口頭弁論期

日までは、同人を原告として訴訟が進行したが、右期日後あらためて右Bを含む被

上告人ら全員から被上告代理人沢田剛に対する訴訟委任状が提出され、同年五月二

五日の第六回口頭弁論期日以後は、被上告人ら全員が原告となつて訴訟が追行され

たこと、所論各証拠申出書に基づく証拠申請は、第一審の第一回または第二回の各

口頭弁論期日になされたものであるが、被上告人らのうち、前記第五回口頭弁論期

日までに採用し、かつ取調が行なわれた者については、証人としての、同期日まで

に採用し、その後の期日に取調が行なわれた者および同期日後に採用して取調が行

なわれた者については、いずれも原告本人としての証拠調がそれぞれなされている

こと、原判決がその事実摘示を引用する第一審判決ならびに原判決は、いずれも、

被上告人らを右証拠調の方法の差異に従い、証人または本人として正しく表示して

いることが明らかである。しかして、選定当事者により追行される訴訟において、

選定者は当該訴訟に対し第三者の地位に立つもので証人として尋問すべきものと解

するのが相当であり、その証言は、後に選定行為を取り消して選定者が自ら当事者

となつた場合にも、効力を有することはいうまでもないところである。されば、原

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判決には、何ら所論の違法はなく、論旨は採用に値しない。

同第三点について。

原判決は、訴外Dが、上告会社のE出張所における貸付業務に関し、貸付元利金

の弁済受領およびその領収書の発行等につき上告会社を代理する権限を有していた

事実を認定しているから、論旨はその前提を欠き、排斥を免れない。

同第五点について。

原判決は、右Dが上告会社を代理し、その有する前記代理権の範囲を超えて、被

上告人らと消費貸借契約を締結した事実を認定したうえ、所論民法一一〇条に定め

る表見代理の成立を肯認しているのであるから、論旨は前提を欠き、排斥を免れな

い。

同第六点ないし第八点について。

所論の各点に関する原審の事実認定は、それぞれ対応する挙示の証拠関係に照ら

して肯認し得、その間いずれにも所論の違法は認められない。しかして、原判決が

確定した事実関係のもとにおいて、訴外Dがその与えられた代理権を超えて各被上

告人らと締結した消費貸借契約につき、民法一一〇条を適用して上告会社の責任を

肯定した原判決は正当である。論旨は、原判決を正解せず、独自の見地から原判決

を非難するもので、採用に値しない。

よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

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裁判官 大 隅 健 一 郎

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