最高裁判所第一小法廷 昭和41(オ)749 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由について。
所有権移転請求権保全の仮登記は、所有権を取得した場合になさるべき本登記の
順位を保全することを目的としてなされるものであつて、仮登記の原因たる権利関
係自体の公示を目的とするものではないから、仮登記された権利関係と実質上の権
利関係との間に若干の相違があつても、当該仮登記が特定不動産の所有権移転請求
権を保全するための仮登記として同一性を害しない限り、有効であると解すべきと
ころ、本件農地につき被上告人と訴外D間になされた契約は、知事の許可を条件と
する停止条件附売買契約であるのに、右農地につきなされた仮登記の原因として表
示された権利関係は売買予約であるけれども、ともに所有権移転の順位を保全する
ためのものである点においては同一性を害するものではないから、両者の間に所論
の相違があつても、本件仮登記には、その原因表示と相違する既存の停止条件附売
買契約につき順位保全の効力があるとした原判決は、正当である。従つて、原判決
には所論違法はなく、論旨は独自の見解にたつて原判決を非難するものであつて、
採用できない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 松 田 二 郎
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裁判官 岩 田 誠
裁判官 大 隅 健 一 郎
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