大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和41(オ)970 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

原審は、上告人主張の訴訟は商取引に関する契約上の金員の支払を求めるもので、

その訴訟で敗訴したため上告人のこうむる損害は、一般には財産上の損害だけであ

り、そのほかになお慰藉を要する精神上の損害もあわせて生じたといい得るために

は、被害者(上告人)が侵害された利益に対し、財産価値以外に考慮に値する主観

的精神的価値をも認めていたような特別の事情が存在しなければならないところ、

本件では右の如き特別の事情の存在を認めるに足る資料もないと判断して、上告人

の本訴請求を排斥しているのであつて、原審の右判断は正当であり、右判断の過程

に所論の違法はない。所論は、独自の見解に立つて原判決を非難するに帰し、採る

を得ない。

同第二点について。

所論は、原審の裁量に属する証拠申出の採否を非難するに帰し、採るを得ない。

同第三点について。

原判決の判断の過程には何ら違法の点はない。所論も、ひつきよう、独自の見解

に立つて原判決を非難するに帰し、採るを得ない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 入 江 俊 郎

- 1 -

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 大 隅 健 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!