大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和42(オ)1113 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大橋光雄、同辻畑泰輔の上告理由第一点について。

商法二七〇条に基づく取締役の職務執行停止・代行者選任の仮処分の効力の存続

中であつても、当該仮処分によつて職務の執行を停止された取締役が辞任し、その

後の株主総会の決議をもつて後任の取締役を選任することはさしつかえなく、この

場合、職務執行を停止された取締役と同一人を再度取締役に選任するとしても、そ

の理を異にしない。けだし、右の仮処分の目的に照らし、株主総会は、右の仮処分

の効力に拘束されないと解すべきだからである。もとより、右のようにして後任の

取締役が選任されても、そのことのみによつて、直ちに右仮処分の効力が失効する

わけではない(最高裁昭和四〇年(オ)第八三四号同四五年一一月六日第二小法廷

判決、民集二四巻一二号一七四四頁参照)。原判決の判断には、右と異なる判示部

分があるが、職務の執行を停止された取締役を含めて、選任する決議をしたからと

いつて、決議が無効であるとはいえないとしたその結論は正当である。したがつて、

論旨は採用することができない。

同第二点について。

株式名義書換請求に対し、その要件を具備するかどうかを審査し、その許否を決

することは、商法二七一条にいう「会社ノ常務」に属する行為として、代表取締役

職務代行者も、これをすることができ、このことは、所論の仮処分決定があつたこ

とによつてなんら影響を受けるものではないから、これと同趣旨の原審の判断は正

当であり、原判決に所論の違法は認められない。したがつて、論旨は採用すること

ができない。

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よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 藤 林 益 三

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

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