大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和42(ク)270 決定

主 文

本件を広島高等裁判所岡山支部へ移送する。

理 由

本件申立の要旨は、広島高等裁判所岡山支部は、同庁昭和三八年(ネ)第一四六

号損害賠償請求控訴事件について、昭和四二年四月二八日控訴人である申立人の敗

訴の判決を言い渡したが、同人は同年五月三日右判決正本の送達を受け、同月一七

日上告状を同支部に提出したところ、同支部は、申立人に対する右判決正本の送達

が同月二日にされたものと誤認し、本件上告が上告期間経過後に提起された不適法

のものであるとして、頭書上告却下決定をしたのであるが、本件上告は前示のとお

り上告期間中に提起した適法のものであるから、右決定の取消を求めるため本件申

立に及ぶというのである。

よつて、審按するに、本件記録に編綴してある前記支部事務官作成の同支部裁判

長裁判官あての報告書、岡山郵便局長作成の同裁判官あて「書留郵便物(特送)の

送達について」と題する書面、および杉並郵便局長作成の同裁判官あて「郵便物配

達年月日の事実調査」と題する書面によれば、前記判決正本の送達報告書に送達年

月日が昭和四二年五月二日と記載されているのは、当該送達取扱者の過誤によるも

のであつて、真実は同月三日に申立人に送達されたことを窺うことができる。

そうとすれば、本件上告状は、法定の上告期間内に提出されたものというべきで

あるから、前示のように誤記のある送達報告書に依拠し十分な職権調査を尽くさな

いでされた前記上告却下決定は、ひつきよう、判決に影響を及ぼすべき重要な事項

につき判断を遺脱したものといわなげればならない(最高裁判所昭和三七年(ヤ)

第三七号同三九年三月二四日第三小法廷判決裁判集民事七二号六〇七頁参照)。�

本件申立は、前記決定に対し、右再審事由をもつて再審の申立をしたものと解す

べきところ、前記支部は、本件申立をもつて前記決定に対し民訴法四一九条ノ二の

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規定による特別抗告をしたものと速断し、右申立に対し何らの判断を示すことなく、

本件を当裁判所に送付したものであるが、同法四二九条、四二二条一項の規定によ

れば、再審は不服申立のある決定をした裁判所の専属管轄に属するのであるから、

同法三〇条一項の定めるところに従い本件を管轄裁判所である広島高等裁判所岡山

支部に移送することとする。

よつて、裁判官全員の一致で主文のとおり決定する。

昭和四四年二月二七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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