大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和43(あ)2409 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人馬屋原成男、同野間繁の上告趣意第一、第二について。

所論は、違憲(二一条、二三条違反)をいうが、憲法二一条の保障する出版その

他表現の自由および憲法二三条の保障する学問の自由もまた、公共の福祉によつて

制限され、絶対無制限でないことは、当裁判所の判例(昭和二八年(あ)第一七一

二号同三二年三月一三日大法廷判決、刑集一一巻三号九九七頁、昭和三一年(あ)

第二九七三号同三八年五月二二日大法廷判決、刑集一七巻四号三七〇頁、昭和三九

年(あ)第三〇五号同四四年一〇月一五日大法廷判決、裁判所時報五三二号一頁)

とするところであるから、論旨は理由がなく、その余は、被告人は、本件文書、図

画を特定の会員に対し、性科学の研究の目的のみをもつて配布したものであつて、

不特定多数人に販売したものではないから、被告人の本件行為は刑法一七五条にい

う猥褻文書、図画の販売に該当しないとの事実誤認、単なる法令違反ならびにこれ

を前提とする違憲の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

同第三について。

所論は、判例違反をいうが、原判断はなんら所論引用の各判例と相反するもので

はない(昭和三三年(あ)第九三四号同三四年三月五日第一小法廷判決、刑集一三

巻三号二七五頁参照)から、論旨は理由がなく、その余は、単なる法令違反の主張

であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

同第四について。

所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由

に当たらない。

同第五について。

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所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由

に当たらない。

同第六について。

所論は、単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由

に当たらない。

被告人本人の上告趣意について。

所論中、違憲(二一条、二三条違反)をいう点は、弁護人らの上告趣意第一、第

二後段について説示したとおり上告の理由がなく、その余は、違憲をいう点もある

が、実質は事実誤認、単なる法令違反ならびにこれを前提とする違憲の主張てあつ

て(記緑に徴しても、所論各供述調書が所論のごとき拷問によつて得られたと疑う

べき証跡は存しない。)、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。よつ

て、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和四四年一二月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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