最高裁判所第一小法廷 昭和43(オ)1122 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人橋本武人、同石川常昌、同青木武の上告理由第一点について。
本件転属が被上告人と上告会社との間の雇用関係を終了させ、あらたに訴外株式
会社D電子との間に雇用関係を生ぜしめるものであることからすれば、労働契約の
一身専属的性格にかんがみ、原審が労働者である被上告人の承諾があつてはじめて
右転属が効力を生ずるものとした判断は、相当として是認することができる。そし
て、本件において、右承諾を要しないとする慣行その他特段の事情が存したことは、
原審のなんら認定しないところである。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用す
ることができない。
同第二点および第三点について。
原審認定の事実関係のもとにおいては、所論の点に関する原審の判断は正当であ
り、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。
同第四点について。
所論の点に関する原審の認定は、原判決挙示の証拠に照らして首肯するに足り、
その過程にも所論の違法は認められない。論旨は採用することができない。
同第五点について。
原審は、被上告人のした転属の承諾が要素の錯誤により無効であり、したがつて、
被上告人は株式会社D電子の従業員たる地位を取得するに至らなかつたと認定判断
しているのであるから、これと異なる前提に立つて原判決の審理不尽、理由齟齬を
いう論旨は採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
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とおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岸 上 康 夫
裁判官 大 隅 健 一 郎
裁判官 藤 林 益 三
裁判官 下 田 武 三
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