大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和44(オ)265 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告人らの上告理由第一点、第二点および上告代理人寺井俊正の上告理由第一点

について。

自作農創設特別措置法による売渡を受けた後、本件土地につき耕作の事業を主宰

していた者は、右土地を所有していたDであり、E夫妻は、Dの両親として、Dの

ため、事実上右土地の耕作に従事していたにすぎなく、本件土地はDの自作地であ

つたものであり、被上告人はDから農地法所定の手続を経て適法に本件土地の所有

権を取得したものである旨の原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして

首肯できる。所論は、原判決の適法にした事実認定を非難するか、原判決の認定し

ない事実または原判決の認定と異なる事実に基づいて原判決を非難するものである

が、原判決には所論の違法はない。論旨は採用できない。

上告代理人寺井俊正の上告理由第二点について。

被相続人の事実的支配の中にあつた物は、原則として、当然に、相続人の支配の

中に承継されるとみるべきであるから、その結果として、占有権も承継され、被相

続人が死亡して相続が開始するときは、特別の事情のないかぎり、従前その占有に

属したものは、当然相続人の占有に移ると解すべきである。それ故、本件において

は、Eの死亡により相続が開始したときは、特別の事情のないかぎり、従前その占

有に属したものは当然その相続人の占有に移るものというべく、特別の事情の認め

られない本件においては、本件土地に対するEの占有は、その相続人である上告人

らの占有に移つたものといわなければならない。これと結論を同一にする原判決の

判断は相当である。原判決には所論の違法はなく、論旨は採用できない。

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よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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