大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和45(あ)1889 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人尾関闘士雄、同前田知克の上告趣意第一点について。

所論は、宅地建物取引業法二四条二号、一二条一項は、取引の公正を害する不正

行為を伴なう取引もしくは公正を害する危険性のある取引および宅地等の利用を阻

害する取引に限つて処罰の対象としているものと解さなければ、憲法二二条に違反

するという。しかし、職業選択の自由、営業の自由も全く無制限なものではなく、

合理的な理由があれば公共の福祉のためその具体的弊害発生の有無を問わず一般的

に制限することが許されるものであることは、当裁判所昭和二六年(あ)第四六二

九号同二八年三月一八日(刑集七巻三号五七七頁)、同三一年(あ)第九一四号同

三六年一二月二〇日(刑集一五巻一一号一八六四頁)、同三五年(あ)第二八五四

号同三八年一二月四日(刑集一七巻一二号二四三四頁)各大法廷判決の趣旨により

明らかであるから、所論は理由がない。

また所論は、被告人の本件各所為のうち免許を受けた宅地建物取引業者の仲介に

よつてなしたものは可罰的違法性がないから、これをも処罰の対象とするのは、憲

法二二条に違反するというが、かかる行為も、宅地建物取引業法の所期の目的を阻

害するものであつて、可罰的違法性がないとはいえないから、所論はその前提を欠

き、適法な上告理由にあたらない。

同第二点について。

所論は、憲法三一条違反をいうが、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であ

つて、適法な上告理由にあたらない(宅地建物取引業法二条一号にいう宅地とは、

現に建物の敷地に供せられている土地に限らず、広く建物の敷地に供する目的で取

引の対象とされた土地を指称し、その地目、現況のいかんを問わないものであると

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した原判断は、正当である。)。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和四六年六月一七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

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