最高裁判所第一小法廷 昭和45(あ)262 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人山本隆幸の上告趣意第一点は、単なる法令違反、事実誤認の主張であり、
同第二点は、違憲(三一条違反)をいう点もあるが、実質は単なる法令違反の主張
であり、同第三点は、判例違反をいうが、原判決は、所論の点についてはなんらの
判断も示していないのであるから、所論は前提を欠き、いずれも上告適法の理由に
あたらない。
同第四点のうち、違憲(三一条、三七条、三九条違反)をいう点について。
控訴審が、懲役刑の執行猶予を言い渡した第一審判決を破棄し、書面審理のみに
よりみずから実刑の言渡をしても、憲法三一条、三七条に違反するものでないこと
は、昭和二六年(あ)第二四三六号同三一年七月一八日大法廷判決(刑集一〇巻七
号一一四七頁)、昭和二七年(あ)第四二二三号同三一年七月一八日大法廷判決(
刑集一〇巻七号一一七三頁)の趣旨とするところであり、検察官の控訴に基づき第
一審判決の刑を重く変更したからといつて、憲法三九条に違反するものでないこと
は、昭和二四年新(れ)第二二号同二五年九月二七日大法廷判決(刑集四巻九号一
八〇五頁)および昭和二四年(れ)第五九号同二五年一一月八日大法廷判決(刑集
四巻一一号二二一五頁)の趣旨に徴し明らかであるから、所論は採ることができな
い。
同第四点のその余は、単なる法令違反の主張であり、同第五点は、単なる法令違
反、事実誤認、量刑不当の主張であつて、いずれも上告適法の理由にあたらない。
よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す
る。
昭和四六年三月二五日
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最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 田 誠
裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 大 隅 健 一 郎
裁判官 藤 林 益 三
裁判官 下 田 武 三
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