大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和45(あ)624 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人梶原正雄、同伊丹経治、同服部正美の上告趣意について。

所論のうち、高等裁判所の判決についての判例違反をいう点は、所論引用の判例

は本件と事案を異にし、当裁判所昭和三〇年一一月一八日第二小法廷決定について

の判例違反をいう点は、所論は、同決定は、流用目的をもつて予算を現金化した場

合でも、文書偽造の方法を用いたり、長期間にわたりしかも大規模に行なわれる場

合のほかは、単なる財政法規違反にとどまり、詐欺罪とならない旨判示していると

して、これを前提に同決定についての判例違反をいうものであるが、同決定は、か

かる判示をしているものではないから、所論は前提を欠き、その余は、単なる法令

違反、事実誤認、量刑不当の主張であつて、すべて適法な上告理由にあたらない。

被告人Bの弁護人毛利與一、同島田信治の上告趣意について。

所論のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は本件と事案を異にし、その

余は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、すべて適法な上告理由にあたら

ない。(裁判官田中宏は、本件第一審の第一八回公判期日以後陪席裁判官として被

告人Bに対する本件事件の審理に関与するにいたつたが、同期日以後の公判調書に

は、そのための更新手続がなされた旨の記載がない。しかし、同期日以後第四五回

の公判期日における結審まで、同裁判官をも構成員として本件事件の中心をなす実

質審理がなされたのに、その間被告人または弁護人から何ら異議のあつたことが認

められないから、第一八回公判期日以降更新手続が行なわれなかつたものとは認め

られない。最判昭和三〇年一二月二六日刑集九巻一四号三〇二五頁参照)。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

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昭和四六年七月一五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 藤 林 益 三

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

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