大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和45(し)30 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

弁護人の特別抗告の趣意は、原決定は、「被告人は一応自白しているとはいえ、

本件事案の性質と証拠関係に照らして考えてみると、なお、共犯者相互の間で、あ

るいは被害者に対する関係で、罪証隠滅の行為が行なわれるおそれがある」ことを

理由に保釈請求却下決定に対する準抗告を棄却しているが、このような理由により

保釈請求を却下することは、勾留によつて自白を強要されるおそれがないとはいえ

ず、憲法三八条一項の精神に副わないものであるというものである。

しかし乍ら、本件事案の性質と関係証拠に照らして考えれば、共犯者相互の間、

あるいは被害者に対する関係で罪証隠滅の行為が行なわれるおそれがあるとの原決

定の判断は相当であり、この理由により保釈請求を却下しても、勾留によつて自白

を強要されるおそれがあるとは何ら認められないから、憲法三八条一項違反の主張

は前提を欠き、特別抗告適法の理由にあたらない。

よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和四五年六月八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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