最高裁判所第一小法廷 昭和45(オ)1003 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由第一について。
従前の土地につき賃借権を有する者は、仮換地につき、土地区画整理事業の施行
者から、土地区画整理法九八条一項の定めるところにより、仮にその権利の目的と
なる土地またはその部分の指定を受けないかぎり、当該仮換地を使用収益すること
ができないことは、当裁判所の判例とするところであり(最高裁昭和三四年(オ)
第八四二号同四〇年三月一〇日大法廷判決・民集一九巻二号三九七頁、昭和三七年
(オ)第三八二号第三八三号同四〇年七月二三日第二小法廷判決・民集一九巻五号
一二九二頁)、この理は、たとえ仮換地が従前の土地に含まれる場合でも変りはな
く、この場合には、土地区画整理法九九条三項により、仮換地である土地に使用収
益権を有していた者は、仮換地として指定されたことの効果として、その使用収益
の権限を失うのである(最高裁昭和三四年(オ)第三二六号同三六年三月七日第三
小法廷判決・民集一五巻三号三六五頁)。原判決のこの点についての判断は、正当
であり、所論の違法はない。なお、所論のうち、被上告人らの先代Dが本件仮換地
自体につき訴外Eに対する賃貸借契約の存在を認めていたとの部分は、原審におい
て上告人の主張しなかつたところであり、したがつて、原判決の認定しない事実で
ある。論旨は、いずれも採用することができない。
同第二について。
論旨は、原審が判断せず、また判断する必要のない予備的請求原因に関する被上
告人らの主張を攻撃するものであつて、採用するに由ない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
- 1 -
とおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岸 盛 一
裁判官 岩 田 誠
裁判官 大 隅 健 一 郎
裁判官 藤 林 益 三
裁判官 下 田 武 三
- 2 -