大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和45(オ)472 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人松島政義の上告理由第一点および第二点について。

被上告人は、本件各建物の建築当時、いわゆる街の高利貸に対して債務を負担し

ており、右各建物に対し強制執行を受けるおそれがあつたので、その登記簿上の所

有名義を一時長男である上告人の名義にして強制執行を受けることのないようにす

るため、本件の各所有権保存登記を経由したものにすぎず、右各建物を上告人に贈

与したものではないとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係および本件記

録に照らして、首肯することができないわけではない。原判決に所論の違法はなく、

論旨は、ひつきよう、原審の適法にした証拠の取捨判断および事実の認定を非難す

るものにすぎず、採用することができない。

同第三点について。

原審の適法に確定した事実関係、とくに被上告人が本件各所有権保存登記を経由

した当時はいまだ本件各建物につき現実に強制執行を受けるような客観的状態はな

かつたとの事実関係のもとにおいて、前示のような目的でなされた右各所有権保存

登記は不法原因給付にならないとした原審の判断は、正当として是認することがで

きる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、独自の見解に立つて原審の判断を非難

するものにすぎず、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎

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裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

裁判官 藤 林 益 三

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