大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和46(あ)591 判決

主 文

原判決中「当審における未決勾留日数中四〇日を原判決の刑に算入する。」

との部分を破棄する。

その余の部分に対する検察官の上告を棄却する。

理 由

検察官の上告趣意について。

記録によれば、被告人は本件窃盗未遂(第一審判決判示第二)の事実につき起訴

前の昭和四五年八月八日勾留状の執行を受け、その後一、二審を通じて引き続き勾

留されていたものであるが、これよりさき同四一年一二月二〇日、被告人は、渋谷

簡易裁判所において窃盗、同未遂罪により懲役二年執行猶予四年の判決の言渡を受

け、同四三年二月一三日右執行猶予が取り消されたため、同年一一月四日からその

刑の執行を受け、同四五年四月三〇日仮出獄を許されたけれども、同年九月二八日

仮出獄を取り消されて残刑の執行を開始され、その後引き続き原判決にいたるまで

右刑の執行中であつたところ、被告人は、本件第一審判決に対し同年一一月一二日

控訴を申し立て、原裁判所は、同四六年二月一七日右控訴を棄却するとともに、原

審における未決勾留日数中四〇日を一審判決の刑に算入する旨の判決を言い渡した

ものであることが認められる。

そうすると、被告人に対する原審の未決勾留の全期間が、前記仮出獄の取消によ

る残刑の執行と重複することになるから、原判決中原審の未決勾留日数を本刑に算

入した部分は、論旨引用の当裁判所の判例に反して刑法二一条を適用した違法があ

りこの点に関する論旨は理由がある。

よつて、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原判決

中「当審における未決勾留日数中四〇日を原判決の刑に算入する。」との部分を破

棄し、その未決勾留日数を算入しないこととし、原判決のその余の部分に対する検

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察官の上告は、上告趣意としてなんらの主張がなく、したがつて、その理由がない

ことに帰するから、刑訴法四一四条、三九六条によりこれを棄却し、訴訟費用は、

同法一八一条一項但書により被告人に負担させないことにして、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

検察官長富久 公判出席

昭和四六年七月二二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

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