大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和46(さ)5 判決

主 文

室蘭簡易裁判所が、被告人に対し、昭和四六年六月七日にした略式命令

を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

本件非常上告事件記録によれば、室蘭簡易裁判所は、昭和四六年六月七日、被告

人Aに対し、同日付の公訴提起に基づき、「被告人は、昭和四六年三月一四日午後

四時ごろ、公安委員会が道路標識によつて追越し禁止の場所と指定した苫小牧市a

付近道路で、普通乗用車(室五み▲▲▲▲号)を運転して普通乗用自動車を追い越

したものである。」旨の事実を認定し、道路交通法三〇条四号、九条二項、一一九

条一項二号、同法施行令七条、刑法一八条、罰金等臨時措置法二条、刑訴法三四八

条を適用して、「被告人を罰金五、〇〇〇円に処する。これを完納することができ

ないときは金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。第一項の

金額を仮に納付することを命ずる。」との略式命令をし、右命令は、即日被告人に

送達され、法定期間の経過により同月二二日確定したこと、およびこれより先の昭

和四六年四月一二日に、被告人は、右と同一の事実につき、交通反則通告書(告知

書番号第▲▲▲▲▲▲号)により反則金五、〇〇〇円を納付すべき旨の通告を受け、

その納付期限内である同年四月二二日に右反則金を納付していることが認められる。

そうすると、前記昭和四六年六月七日付の公訴提起を受けた室蘭簡易裁判所とし

ては、この公訴事実については道路交通法一二八条二項により公訴提起が許されな

いのであるから、刑訴法四六三条一項にしたがい、事件を通常の手続に移したうえ、

同法三三八条四号により公訴棄却の判決をすべきであつたのに、前記のとおり略式

命令をしたものであつて、右略式命令は法令に違反し、かつ、被告人のために不利

益であることは明らかである。本件非常上告は理由がある。

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よつて、刑訴法四五八条一号により右略式命令を破棄し、同法三三八条四号によ

り本件公訴を棄却することとして、主文のとおり判決する。この判決は、裁判官全

員一致の意見によるものである。

検察官山室章 公判出席

昭和四六年一二月二三日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

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