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最高裁判所第一小法廷 昭和48(さ)2 判決

主 文

昭和四六年一〇月二六日市川簡易裁判所が発した略式命令を破棄する。

右略式命令記載の罪となるべき事実中道路交通法違反の事実につき被告

人を免訴する。

被告人を罰金三万五〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは金五〇〇円を一日に換算した期

間被告人を労役場に留置する。

理 由

記録によれば、被告人は、昭和四六年四月一日午後七時三〇分頃船橋市a町b丁

目c番d号付近道路において公安委員会の運転免許を受けないで普通乗用自動車を

運転したとの道路交通法違反の事実および業務上過失傷害の事実につき、同年一〇

月二一日起訴略式命令を請求され、市川簡易裁判所は、同月二六日「被告人を罰金

五万円に処する。右罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算し

た期間被告人を労役場に留置する。」との略式命令を発し、右略式命令は同年一一

月一四日確定したものであるところ、これより先の同年六月二四日市川簡易裁判所

は、右道路交通法違反の同一事実につき「被告人を罰金一五、〇〇〇円に処する。

これを完納することができないときは金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労

役場に留置する。」との略式命令を発し、これが同年七月一三日確定したものであ

ることがうかがわれる。

これによれば、昭和四六年一〇月二一日の起訴を受けた市川簡易裁判所は、事件

を通常手続に移して審判のうえ、右道路交通法違反の事実については免訴の裁判を

し、業務上過失傷害の事実についてのみ有罪の言渡をすべきであつたのであり、こ

れをしなかつた原略式命令は違法であり、かつ被告人に不利益であることが明らか

である。

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よつて、刑訴法四五八条一号但書により、昭和四六年一〇月二六日付の略式命令

を破棄し、同法三三七条一号により右略式命令の罪となるべき事実中道路交通法違

反の事実につき被告人を免訴し、右略式命令によつて確定された業務上過失傷害の

事実につき刑法二一一条前段、一八条、昭和四七年法律第六一号による改正前の罰

金等臨時措置法三条を適用して、被告人を罰金三万五〇〇〇円に処し、右罰金を完

納することができないときは金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留

置することとし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官辻辰三郎 公判出席

昭和四八年四月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 田 武 三

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 岸 盛 一

裁判官 岸 上 康 夫

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