大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和48(オ)552 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

本件記録によれば、原審の第一回口頭弁論調書には上告人が昭和四七年一二月六

日付準備書面に基づく陳述をした旨の記載はなく、また同調書には裁判長が弁論を

終結して判決言渡期日を指定、告知した旨の記載が存することは、所論のとおりで

ある。所論は、右の調書の内容が真実に反するというが、調書の記載は、民訴法一

四七条所定外の事項に関するものであつても、特に反証のないかぎり、これを真実

に合致するものと推定すべきであるところ、本件記録を精査しても、反証と認める

に足りる資料はなんら存しない。したがつて、前記準備書面は原審第一回口頭弁論

期日において陳述されず、また同期日において弁論が終結され判決言渡期日が指定、

告知されたものというほかない(最高裁昭和四四年(オ)第一〇五三号同四五年二

月六日第二小法廷判決・民集二四巻二号八一頁参照。)。

次に、原審の第二回口頭弁論調書には、上告人不出頭のまま裁判長が判決原本に

基づき判決を言い渡した旨の記載が存するところ、所論は、上告人が原審第二回口

頭弁論期日に出頭した旨、ならびに、本件記録中に原判決の原本が編綴されておら

ず、その正本が編綴されていることを根拠として、原審においては判決正本に基づ

き判決の言い渡しがされた旨を主張するが、期日における当事者の出頭状況および

判決言渡の方式は口頭弁論の方式に関する事項と解すべきであるから、民訴法一四

七条により、調書によつてのみこれを証すべきである。また、控訴審裁判所は控訴

審判決の原本を訴訟記録に編綴することを要しないから、本件記録中に原判決の原

本が編綴されていないことはなんら違法ではない(最高裁昭和二四年(オ)第七四

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号同二五年一月二六日第一小法廷判決・民集四巻一号一一頁、昭和三〇年(オ)第

四五九号同三三年四月一一日第二小法廷判決・民集一二巻五号七六〇頁参照。)。

所論はいずれも理由がなく、論旨は採用することができない。

同第二点について。

所論は、原判決(その引用する第一審判決を含む。)の認定にかかる別件確定判

決はその弁論手続中に民訴法一四三条違反の違法があるから、判決として不存在で

あるかまたは無効であるという。しかし、判決はその原本に基づき言渡しがされた

以上、不存在ということはできない。また、かりに判決の手続に違法があつても、

上訴または再審の手続により取り消されないかぎり判決としての効力を生じ、他の

訴訟手続中においてその絶対無効を主張することは許されないと解すべきである。�

論旨は、独自の見解に立脚するものであつて、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 岸 盛 一

裁判官 岸 上 康 夫

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