大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和54(あ)2272 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松木武の上告趣意第一点は、憲法三八条三項違反をいうが、原審が是認し

た第一審の各認定事実の証拠として被告人の公判廷及び捜査段階における各自白の

ほかに受供与者らの検察官に対する各供述調書が示されていることは判文上明らか

で、右は被告人の自白の補強証拠として十分なものと認められるから、所論は前提

を欠き、同第二点は、憲法三一条違反をいうが、実質は量刑不当の主張であつて、

いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

なお、原判決には、被告人の立候補届出前の本件各行為につき公職選挙法二二一

条一項一号のほかに同条三項をも適用した違法がある(第一審判決の法令適用を利

用したもの)けれども、原判決の被告人に対する懲役八月、執行猶予四年の科刑は

正当な処断刑の範囲内にあるものであり、かつ、本件事案の内容等に徴すれば、右

違法は、いまだ原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和五五年二月二六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 中 村 治 朗

裁判官 団 藤 重 光

裁判官 藤 崎 萬 里

裁判官 本 山 亨

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