大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和54(さ)6 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人を罰金二万五〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金一〇〇〇円を一日に換算し

た期間、被告人を労役場に留置する。

理 由

記録によると、柳井簡易裁判所は、昭和五三年一二月二〇日Aに対する道路交通

法違反幇助被告事件(同庁昭和五三年(い)第一八五三号)について、「被告人は

昭和五三年五月一一日午後九時ころ柳井市a道路においてB(当三二年)が酒に酔

つた状態で普通乗用自動車(山五五ま三〇六八)を運転した際、その助手席に同乗

し左折右折の指示をして道案内をつとめ、もつて同人の酒酔い運転行為を容易にさ

せて幇助したものである。」との事実を認定したうえ、道路交通法六五条一項、一

一七条の二第一号、刑法六二条、六三条、一八条、刑訴法三四八条を適用して、「

被告人を罰金三万円に処する。右を完納することができないときは、金一〇〇〇円

を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。被告人に対し、仮に右罰金に

相当する金額を納付すべきことを命ずる。」旨の略式命令を発付し、右略式命令は、

昭和五四年一月五日確定したことが明らかである。

しかしながら、道路交通法六五条一項、一一七条の二第一号によれば、酒酔い運

転の罪の罰金の法定刑は五万円以下であるから、その幇助犯である本件について罰

金刑を選択する以上は、刑法六二条一項、六三条、六八条四号により刑を減軽して

二方五〇〇〇円以下で処断すべきところ、これを超過して被告人を罰金三万円に処

した原略式命令は法令に違反し、しかも、被告人にとつて不利益といわなければな

らない。

よつて、刑訴法四五八条一号但書により、原略式命令を破棄し、被告事件につい

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てさらに判決をすることとする。

原略式命令によつて確定された道路交通法違反幇助の事実に法令を適用すると、

右事実は道路交通法六五条一項、一一七条の二第一号、刑法六二条一項に該当する

ので、所定刑中罰金刑を選択し、右は従犯であるから同法六三条、六八条四号によ

り法律上の減軽をした金額の範囲内で被告人を罰金二万五〇〇〇円に処し、右罰金

を完納することができないときは、同法一八条により、金一〇〇〇円を一日に換算

した期間被告人を労役場に留置することとし、裁判官全員一致の意見で、主文のと

おり判決する。

検察官安西温 公判出席

昭和五四年一一月一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 本 山 亨

裁判官 団 藤 重 光

裁判官 藤 崎 萬 里

裁判官 中 村 治 朗

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