大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和59(あ)759 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人中村市助の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴

法四〇五条の上告理由に当たらない。

なお、本件宅地建物取引業法違反の事実のうち、株式会社Aが設立された昭和五

六年三月六日以降の事実において、宅地建物取引業法一二条一項の規定に反した者

は右株式会社Aであり被告人は同社の代表者として、同社の業務に関し、同法三条

一項の免許を受けないで宅地建物取引業を営んだのであるから、同法八四条に「そ

の行為者を罰するほか」とあることにより、同法七九条二号の罪の行為者として処

罰されるものと解すべきである。したがつて、一審判決が被告人の右所為に対し同

法一二条一項、七九条二号のみを適用して、同法八四条を適用しなかつたのは誤り

であり、原判決にはこれを看過した違法があるが、この違法をもつて原判決を破棄

しなければ著しく正義に反するものとは認められない(最高裁昭和五四年(あ)第

一四五一号同五五年一〇月三一日第一小法廷決定・刑集三四巻五号三六七頁、同昭

和五四年(あ)第一二五七号同五五年一一月七日第一小法廷決定・刑集三四巻六号

三八一頁参照)。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により、裁判官

全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

昭和六〇年一二月二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 島 益 郎

裁判官 谷 口 正 孝

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裁判官 和 田 誠 一

裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 大 内 恒 夫

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