大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和62(あ)557 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中四〇日を本刑に算入する。

理 由

弁護人山岸哲男の上告趣意のうち、憲法三八条違反をいう点は、記録を調べても、

所論被告人の自白が所論のような捜査官の暴行、脅迫によつて得られたと疑うべき

証跡はないから、所論は前提を欠き、その余は、事実誤認の主張であり、被告人本

人の上告趣意のうち、捜査官の暴行、脅迫等を理由として憲法三六条、三八条違反

をいう点は、記録を調べても、所論被告人の自白が所論のような捜査官の暴行、脅

迫等によつて得られたと疑うべき証跡はないから、所論は前提を欠き、最高裁昭和

四〇年(あ)第一九六八号同四一年七月一日第二小法廷判決・刑集二〇巻六号五三

七頁及び同昭和四二年(あ)第一五四六号同四五年一一月二五日大法廷判決・刑集

二四巻一二号一六七〇頁を引用して判例違反をいう点は、原認定にそわない事実関

係を前提とするものであり、最高裁昭和二五年(あ)第一〇八九号同二七年三月五

日大法廷判決・刑集六巻三号三五一頁及び大阪高裁昭和五六年(う)第一三七六号

同五九年四月一九日判決・高刑集三七巻一号九八頁を引用して判例違反をいう点は、

所論引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、最高裁昭和三〇年(あ)第七五

五号同三二年一〇月一八日第二小法廷判決・刑集一一巻一〇号二六六三頁を引用し

て判例違反をいう点は、原判決は所論の点に関しなんら法律判断を示していないか

ら、所論は前提を欠き、最高裁昭和二六年(あ)第三一八六号同二六年一二月一四

日第二小法廷判決・刑集五巻一三号二五一八頁を引用して判例違反をいう点は、所

論引用の判例は所論のような趣旨までをも示したものではないから、所論は前提を

欠き、地方裁判所の判決を引用して判例違反をいう点は、地方裁判所の判決は刑訴

法四〇五条三号の判例に当たらず、その余は、憲法一一条、三六条、三八条違反を

- 1 -

いう点を含め、その実質はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、いず

れも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書、刑法二一条によ

り、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

昭和六二年九月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 島 益 郎

裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 大 内 恒 夫

裁判官 佐 藤 哲 郎

裁判官 四 ツ 谷 巖

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!