最高裁判所第三小法廷 平成19年(し)170号 決定 2007年6月19日
主文
本件抗告を棄却する。
理由
本件抗告の趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。
なお,確定した有罪判決の執行を現に受けている者から,当該判決の基礎となった被告事件係属中の勾留についてその取消しを求める趣旨の書面が裁判所に提出されても,そのような書面は,刑訴法87条1項の申立てその他刑訴法上意味ある申立てとは認められないから,裁判所は,本来これに対し何ら判断を示す必要はないものというべきであるが,当該書面に係る主張は入れられない旨を確認的に判示した原々決定及び原決定に違法はない。
よって,刑訴法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 田原睦夫 裁判官 藤田宙靖 裁判官 堀籠幸男 裁判官 那須弘平 裁判官 近藤崇晴)