大判例

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最高裁判所第三小法廷 平成3(あ)1146 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人藤田正隆ほか一三名の上告趣意のうち、憲法三六条違反をいう点は、現行

の死刑制度が憲法の右規定に違反するものでないことは、当裁判所の判例(最高裁

昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一

頁)とするところであるから、所論は理由がなく、憲法三四条違反をいう点は、記

録を調べても、被告人が弁護人選任権の行使を妨げられたと認めるに足りる証跡は

なく、憲法三八条一項、二項違反をいう点は、記録によれば、被告人の自白調書の

任意性を肯定した原判断は相当であり、憲法三八条三項違反をいう点は、原判決の

是認する第一審判決が所論の事実を被告人の自白のみに基づいて認定したものでな

いことはその判文上明らかであるから、所論はいずれも前提を欠き、その余は、判

例違反をいう点を含め、実質は事実誤認、量刑不当の主張であって、適法な上告理

由に当たらない。

また、所論に鑑み、記録を精査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認

められない(本件は、パチンコ等に浪費して生活費に窮した被告人が、面識のある

宝石商A(当時七〇歳)及びその妻B(当時五八歳)を殺害して金品を強取しよう

と企て、右田中方において、あらかじめ用意したくり小刀を用いてA及びBの腹部、

胸部等をそれぞれ多数回突き刺して殺害した上現金を強取し、さらに、奪い取った

金を使い果たすや、三日後に再び被害者方に入り込み、凄惨を極めたままの殺害現

場においてAの死体の手首等から宝石類をはぎ取って窃取したというものであって、

本件犯行の罪質、動機、態様、結果、社会的影響等に照らすと、被告人の生育歴等

を考慮しても、被告人の罪責は誠に重大であり、原判決が維持した第一審判決の死

刑の科刑は、やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

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よって、同法四一四条、三九六条により、主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官大野正男の補足意見があるほか、裁判官全員一致の意見によ

るものである。裁判官大野正男の補足意見は、最高裁昭和六二年(あ)第五六二号

平成五年九月二一日第三小法廷判決・裁判集刑事二六二号四二一頁における補足意

見と同一であるから、ここにこれを引用する。

検察官 溝口昭治 公判出席

平成九年一月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 可 部 恒 雄

裁判官 園 部 逸 夫

裁判官 大 野 正 男

裁判官 千 種 秀 夫

裁判官 尾 崎 行 信

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