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最高裁判所第三小法廷 平成8(さ)3 判決

主 文

各原略式命令を破棄する。

本件各公訴事実について、被告人は無罪。

理 由

本件記録によると、保土ケ谷簡易裁判所は、平成七年五月一七日、「被告人は、

平成七年四月三〇日午後七時四四分ころから翌五月一日午前四時三〇分ころまでの

間、神奈川県愛甲郡a村b)c番地のd付近道路に普通乗用自動車(登録番号相模

AふB号)を置き、もって、夜間に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車

することとなるような行為をした。」及び「被告人は、平成七年四月三〇日午後七

時四四分ころから翌五月一日午前四時三〇分ころまでの間、神奈川県愛甲郡a村b

c番地のd付近道路に普通乗用自動車(登録番号相模CそD号)を置き、もって、

夜間に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為を

した。」との各公訴事実をいずれも認定し、これに対し、いずれも自動車の保管場

所の確保等に関する法律一一条二項二号、一七条二項二号、同法附則三項、同法施

行令附則三項その他の関係法条を適用して、右各認定事実につきそれぞれ「被告人

を罰金四万円に処する。これを完納することができないときは金五〇〇〇円を一日

に換算した期間(端数は一日に換算する)被告人を労役場に留置する。第一項の金

額を仮に納付することを命ずる。」との略式命令を発付し、これらの略式命令は、

いずれも平成七年六月一日確定したことが認められる。

しかしながら、同法附則三項によると、同法一一条の規定は、当分の間、政令で

定める地域以外の地域において行われた行為については適用しないとされていると

ころ、神奈川県愛甲郡a村は右「政令に定める地域」に当たらない(同法施行令附

則三項、二項一号、別表)から、同村内において自動車が夜間に道路上の同一の場

所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為をすることは禁止されてい

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なかったのであり、右各略式命令の認定事実はいずれも罪とならなかったものとい

わなければならない。

そうすると、各原略式命令は、法令に違反し、被告人のため不利益であることが

明白である。

よって、刑訴法四五八条一号、三三六条前段により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり判決する。

検察官森川隆彦 公判出席

平成八年九月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 尾 崎 行 信

裁判官 園 部 逸 夫

裁判官 可 部 恒 雄

裁判官 大 野 正 男

裁判官 千 種 秀 夫

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