大判例

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最高裁判所第三小法廷 平成9(あ)1255 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岡次郎の上告趣意のうち、所得税法一二条について憲法三一条、八四条違

反をいう点は、所得税法一二条の文言が所論のように不明確であるとはいえないか

ら、前提を欠き、判例違反をいう点は、事案を異にする判例を引用するものであっ

て、本件に適切でなく、その余は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張で

あり、被告人本人の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であって、いずれも刑

訴法四〇五条の上告理由に当たらない(なお、原判決が有価証券売買益等の収益の

帰属者の判断基準として、誰が売買の意思決定を行っていたかが最も重要と解すべ

きであると判示する部分には、直ちに是認し難い点もあるが、これによりほ脱税額

の認定に影響を及ぼし得るのは、利子所得及び配当所得のうちの被告人の父の生前

の分にとどまり、本件ほ脱税額の総額の中で占める割合は極めてわずかなものにす

ぎず、実質的な相違をもたらすものではないから、いまだ刑訴法四一一条を適用す

べきものとは認められない。)。

よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文 裁判官 金谷利廣 裁判官 奥田

昌道)

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