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最高裁判所第三小法廷 昭和23年(オ)29号 判決 1948年12月21日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

本件上告の理由は末尾添附別紙記載の通りであつてこれに対する判断は次のとおりである。

第二点について。

しかし所論甲第一一号乃至甲第一三号証の成立については当事者間に争なく、かかる書証は提出者である控訴人(上告人)の不利益に判断しかえつて被控訴人の利益に判断したとしても証拠は共通であり取捨判断は事実審たる原審の自由裁量にまかせられているのであるから其判断に経験則に反しない限り何等違法とはならない、そして右各号証の記載に徴し原審の判断に経験則違背ありとは認められない。

さらに論旨は原審において控訴人の為したる弁論再開申請を許可しなかつたことを非難するが、弁論を再開すべきか否かは原審の専権に属するところであつて、本件については、再開の必要なしと認め右申請を許可しなかつたのであり且つ其不許可については何等違法があるといえないから論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)

よつて民事訴訟法第八九条、同第九五条、同第四〇一条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介)

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