最高裁判所第三小法廷 昭和26年(あ)4248号 判決 1953年5月12日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人山本義民の上告趣意(後記)について。
所論は、いずれも刑訴法違反又は事実誤認若しくは量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。(所論二に述べている証人の証言の内容がすべて共同被告人より伝聞した事実であるからこれを断罪の資料に供したのは採証の法則に反するという主張について記録を調べて見ると、第一審において被告人及び弁護人は、証人の供述についてなんら異議を述べていないばかりでなく、かえって証人に対し尋ねるところはないと述べているのであるから証人の供述について同意があったと認めるのを相当とする。この点についても論旨は理由がない。)
その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)