大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。
官報全文検索 KANPO.ORG
月額980円・今日から使える・メール通知機能・弁護士に必須
AD

最高裁判所第三小法廷 昭和27年(あ)1243号 決定 1952年6月17日

本籍並びに住居

高知県高岡郡北原村甲原二六七七番地(現在高松刑務所在所)

無職

服部広

大正七年五月一五日生

右窃盗被告事件について昭和二六年一二月二七日高松高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人根本好夫の上告趣意について。

しかし公判調書中に同公判に出席した検察官が起訴状を朗読したことの記載を欠くという一事をもつて起訴状の朗読がなかつたものとは言えないのである(昭和二五年(あ)三九六〇号、同二七年四月一五日第三小法廷決定参照)。従つて原判決の判断は正当であつて、論旨は容認できない。

被告人の上告趣意について。

論旨は事実審の裁量に属する証拠の取捨判断を非難し、事実の誤認があることを主張するのであるから、適法の上告理由に当らないまた記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例