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最高裁判所第三小法廷 昭和27年(オ)416号 判決 1952年11月25日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人橋本庄之助の上告理由は末尾添附の書面のとおりである。

上告理由第一、二點について。

手形の裏書の連続ありとなすには、第一裏書における被裏書人と第二裏書の裏書人が同一人であることが表示されて居ればいいのであつて、右被裏書人と裏書人との表示が一字一句同じでなければならないものではない。本件において原審は第一裏書における被裏書人の表示「万代食品工業株式会社 鹿取久三郎」なる記載の鹿取久三郎は万代食品工業株式会社の代表者鹿取久三郎を表示したものと認定したのであり、右記載はその記載体様から見て、所論の如く二名の被裏書人を表示したものと見るよりは、むしろ原審の認定した様に見るのが相当である。それ故原判決には所論の様な違法はなく論旨は理由がない。その他の論旨は原審の証拠判断事実認定の非難に過ぎないから採るを得ない。

よつて民事訴訟法第四〇一条第九五条第八九条に従つて裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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