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最高裁判所第三小法廷 昭和28年(あ)5602号 決定 1955年10月04日

本籍

福岡市古小烏町九八九番地

住居

同市花園町一六六五番地の七

金属回収業

岸本礼蔵

大正八年五月一日生

右の者に対する窃盗、恐喝、覚せい剤取締法違反被告事件について昭和二八年一一月二八日福岡高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人盛川康の上告趣意第一点は、原審において主張、判断のない事項に関する主張であるのみならず、法令違反の主張であり(第一審判決原本に公判出席検察官として記載されている検事事務取扱副検事福井武徳は、第一審の第一ないし第三回及び第一三回の各公判に出席しており―記録一五、六七、一四六、五八六丁―、判決言渡の公判には出席していないが、判決書に記載すべき検察官の官氏名は、審理又は判決言渡のいずれかに出席した検察官の官氏名であればよいのであつて、必ず判決言渡に出席した検察官の官氏名でなければならないと解すべき理由はないから、所論の違法はない。)、同第二点は、量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 島保 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎 裁判官 垂水克己)

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