最高裁判所第三小法廷 昭和29年(オ)799号 判決
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〔要旨〕裏書欄に、指図文言の次に支払拒絶証書作成義務免除文言の記載があり、次いで裏書人の署名がある場合には、指図文言上部の欄外に裏書人の捺印があつても、裏書を支払拒絶証書作成義務免除のため、兼用の署名がなされたものと認めて妨げない。
〔説明〕裏書の署名と拒絶証書作成義務免除の署名と兼用させ得ることは学説判例共に異論のないところである(伊沢・手形法小切手法四八七頁、昭和一三・一・二九大判・集一四頁等)。兼用ありと認め得るか否かは裏書欄の記載文言の布置、署名の場所等の態様自体から判定すべきである(石井・判例民事法昭和一三年度七頁大浜・民商法雑誌七卷六号一四九頁参照)。大浜前掲によれば、旧法(旧商四八九条)当時においては、不動文字たる拒絶証書不要文句を承知の上之を利用する場合には、特にこの文句の上に捺印する慣習を生じたとせられているから、裏書欄上部の欄外に存する裏書人の捺印はそれだけでは署名兼用の認定の妨げとならず、むしろこれを確認する趣旨とも解し得る余地がある。上告論旨は拒絶証書不要文言抹消のための捺印と解すべきものであると主張して署名兼用の認定を非難したが排斥されたものである。
(北村調査官)