最高裁判所第三小法廷 昭和30年(あ)91号 決定 1955年5月17日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人土屋豊の上告趣意一は、違憲をいうが、その実質は、訴訟法違反の主張に帰し(刑訴二条一項にいわゆる「現在地」とは、公訴提起の当時被告人が現在する地域を指称し、これに現在する事由の如何を問わないものと解するを相当とする。)、同二は、単なる訴訟法違反の主張であり、被告本人の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張を出でないものであって、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)