最高裁判所第三小法廷 昭和31年(あ)2613号 決定 1956年10月30日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人太田周市の上告趣意第一点は、事実誤認、法令違反の主張であり、同第二点は、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(刑法二〇四条の傷害罪は同法二〇八条の暴行罪の結果犯であるから、被告人が審判の対象たる暴行脅迫の所為の前年と前々年とに傷害罪によりそれぞれ刑に処せられた事実の証拠にもよって右暴行脅迫が暴力行為等処罰に関する法律一条二項にいう常習として犯されたものである事実を認定することは相当であるから、この点に関する原判決の説示は正当である。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 垂水克己 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三)