最高裁判所第三小法廷 昭和31年(あ)54号 決定 1958年4月30日
主文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人らの負担とする。
理由
被告人両名の弁護人田中荘治郎の上告趣意第一点は事実認定の違法を、第二点ないし第四点は事実誤認を主張するとともに収受金品の趣旨を争うものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(第一審判決挙示の証拠によれば、判示事実を認定することができ、その認定に違法は認められない。被告人らは海上保安官として検察官の指揮の下に海上における犯罪の証拠品の集取に当る職務を有するものであり、被告人らの本件行為が犯罪となることは、原判決の説明するとおりである)。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 垂水克己)