最高裁判所第三小法廷 昭和31年(み)7号 決定 1956年2月14日
申立人
被告人織田智の弁護人
向江璋悦
同
安西義明
右被告人織田智に対する公職選挙法違反被告事件(当庁昭和三〇年(あ)第一六一五号)について、昭和三一年一月一〇日当裁判所のした上告棄却の判決に対し、申立人等から判決訂正の申立があつたので、当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件申立を棄却する。
理由
本件訂正申立の趣意は別紙記載のとおりである。
しかし、右訂正申立趣意第一点は、判決書に表示された被告人の本籍並びに住居の地番及び生年月日の訂正を求めるものであり、同第二点は判決書に「公判期日に出席した検察官の官氏名の記載」(刑訴規則五六条二項)がないから無効であるとしてその訂正を求めるというのであつて、いずれも判決の内容に誤のあることを理由とするものでなく、刑訴四一五条一項の要件を欠くものである。(なお右判決は刑訴四〇八条により弁論を経ないで上告を棄却したものであるから、判決書にはその宣告期日に出席した検察官の官氏名の記載はこれを必要としないものと解すべきである。)また同第三点ないし第五点については判決を訂正すべき事由は認められない。
よつて刑訴四一七条一項に従い全裁判官一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 小林俊三 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 本村善太郎 裁判官 垂水克己)